クリスタル、"世界は広く私はどこかで何でもない"

2024.2.28 Vogue korea インタビュー

https://www.vogue.co.kr/2024/02/28/크리스탈-세상은-넓고-나는-어디선가-아무것도-아니/?ddw=149769&ds_ch=twitter&utm_source=twitter&utm_medium=SNS

 

デビュー時からクリスタルは過剰だったことはない。湖のように物静かで毅然としている。石を投げて波紋を広げられるのは本人だけだ。

 

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SOFT GLARE 2024 ラルフローレンコレクション プレスプリングシーズンは、素朴でロマンティクなものと柔らかいパステルトーンの調和に集中した。午後6時45分、メルボルンローズバッドビーチで向き合ったクリスタルの美しさ。

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STANCE CHANGE アメリカンテーラリングを欠かせないラルフローレンコレクション。2つボタンのジャケット、シャツ、リネンシルク素材のパンツにオープントウストラップヒールをスタイリングした。

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FLAWLESS FLOW ラルフローレンが今回のコレクションのために選んだカラーはピンクだ。57年に及ぶハウスの神髄がつまった、すっきりしながらも力のあるラルフローレンらしいデザインにバレリーナピンクを加えたオフショルダードレス。

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SWIRL SWIRL SWIRL 映画<거미집(Cobweb)>でカンヌ国際映画祭を訪問した俳優クリスタル。1999年アカデミー授賞式で披露した象徴的なラルフローレンのドレスを再解釈したチュール素材のイブニングドレスにオーバーサイズのカシミアセーターと白いエスパドリーユをマッチさせた。

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STANDING POINT ‘シンプルイズベスト’という言葉がよく似合うラルフローレンコレクションはいつも簡単そうに見えるがモダンなデザインで人々の心を魅了する。堂々とした現代的な女性といえば思い浮かぶクリスタルがポロカラーが追加されたHラインニットクロシェドレスにホワイトヒールサンダル、‘ストラップミニスチール’ ウォッチを着用してゆったり座っている。芝生の上に置かれたカバンはニューヨークの建物からインスパイアされた ‘RL 888ボックスカーフスキントップハンドル’ バッグ。

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MODERN ART 2024 全豪オープン観覧のためにメルボルンを訪れたクリスタル。ラルフローレンツイードジャケットにVネックカーディガン、1993年F/Wランウェイからインスパイアされたエンベリッシュメント (裁縫や手芸においてデザイン上の理由から作品に付け加えられる飾りのこと)シアーパンツを着用した。

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VICTORIAN GREEN 古風な英国ヴィクトリア様式とアメリカを象徴するラルフローレンコレクションが出会った。ベストとボリュームのあるスカートにウェッジサンダルを履き堂々としたジェスチャーのクリスタル。

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TO THE DEAREST ラルフローレンはプレスプリングコレクションのためにセーターを積極的に活用した。黒色のクロップドタートルネックに天然の貝ボタンが特徴のリネンパンツ姿は当然キールックとして挙げられる。

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TOP WOMAN 歌手と俳優、ある意味似ているようで異なる二つの職業を通じて本人の多彩な姿を自在に見せてくれるクリスタル。従来見られなかったボブスタイルが新たにやってくる。そこにワンショルダータンクトップとフローラルプリントのマキシスカートまで魅力を加える。衣装とアクセサリーはラルフローレンコレクション(Ralph Lauren Collection)。

 

オーストラリア・メルボルンで<Vogue> の表紙を撮影しました。世界のあちこちで仕事をして旅行を楽しんでいる最中でしょう。

他の人と似ていると思いますが旅行は日常から私自身を解放してくれるみたいです。いつも何か囲まれたりずっと向き合っているものから離れる感じがして好きです。どの都市に行っても滞在中は全神経がそこだけに集中して常に'フレッシュ'になって旅行をたくさんします。よく行く慣れた都市は楽で好きですし、初めて行く都市は不慣れさからくる面白さがあります。

 

去る12月、春沙国際映画祭で<거미집(Cobweb)>のハン・ユリム役で助演女優賞を受賞しました。

普段賞に大きな意味を持たせないんですが、いざ貰うと嬉しかったです。<거미집(Cobweb)>は特に参加したかった作品ですし、頑張って臨みましたし、賞まで貰ったら本当に有難いです。色々と特別な経験をたくさんした作品なので<거미집(Cobweb)>自体が大きな賞、大きな贈り物です。

 

<거미집(Cobweb)>を見ながら特に感じたんですが、1960~1970年代の古典美を帯びていました。魅力を感じる特定の時代がありますか?

いつも昔のものが気になりますし、クラシックなものが一番だと感じます。1970~1990年代が好きなんですが一つの時代をあえて選ぶなら1970年代です。最も自由に生きた10年だという話を聞きました。芸術や音楽、スタイルの面で多様で面白かったと。ちょうど <거미집(Cobweb)>が1970年代を背景としているので、よりグッと惹かれたようです。撮影期間中に間接的にでも経験できたので楽しかったです。その時代に戻って一度生きてみたいです。

 

どの作品でも複合的ですが、<거미집(Cobweb)>や<애비규환(父親叫喚)>はコメディー演技が多くの部分を占めるでしょう。こういったコメディー演技をするとき解消される部分はありますか?

近くの知人たちは私が面白い人間だといいます。私のコメディー演技を見て"まさにあなただ"と言ったんですよ。実は私がコメディー演技をすると思っていませんでした。台本に書いてある状況と台詞自体がコミカルに繋がっているのでそれを心を込めて真剣に演じただけで笑える状況が演出されるんです。そうやって現場の反応が良いと、やっとすこし安心します。それまではどんな演技をしても緊張して震えます。

 

"キャラクターと私が似ている部分があってこそ上手く演じられるのではないか"とおっしゃいましたね。

その考えは今も変わりません。私とキャラクターが共に成長するようです。 <애비규환(父親叫喚)>のトイルの責任感があって家族を愛する姿、 <거미집(Cobweb)>のハン・ユリムの任された仕事をプロフェッショナルにやり遂げる点は私に置き換えるとより入り込めました。これからもキャラクターと私の共通点を探し出しながらキャラクターをより理解しようと思います。

 

キャラクターと自身のシンクロ率を探す分だけ、作品を準備するとき、内面をたくさん覗いてみるしかないですね。その作品が人間クリスタルにとっても助けになるようです。

そうです。キャラクターを研究しながら私と似ていたり異なる点をずっと探して、そうしながら私を振り返って考慮していなかったことも考えてみます。不思議なことにだんだんそのキャラクターの立場から察せられるようになります。正直に言うと自身を変えるほどドラマティックに助けになったことはまだありません。ただそのときその瞬間で、また元の私に帰ってきます。とても短い間だけ違ったように生きるのが、それが好きです。

 

安定を求める性格だとおっしゃいました。ですが俳優は常に新しさに直面して挑戦しなければならない仕事ですが、どうやって対処していますか?

よく分かりません。まだ難しいです。たぶん完璧な対処法は会得できないかもしれません。新しい仕事に怖さもありますが好奇心もかなりあるからなのか、いつも多様な姿が現れる気がします。正解は無いようでその時その時最善を尽くします。

 

10代でデビューした時から堂々として見えました。新人から垣間見えるぎこちなさや過剰な行動は無くいつも落ち着いて見えましたよね。中には大変な瞬間も多かったでしょうが、それでも毅然と幼い時期から活動できた原動力何でしょうか?

当然家族の影響が一番大きかったです。母は私が幼い頃から自尊心が生まれる色んな環境を与えてくださって、それに関する言葉もたくさんかけてくれました。私より先にデビューした姉がぶつかりながら感じた点を話して助言してくれましたね。そして幼い頃から旅行をたくさんして'世界は広く私はどこかで何でもない'という気持ちが徐々に染み込んだようです。みんな合わさって自然に聞くものは聞いて、流すものは流すコツができたみたいです。今も完璧ではないですが。

 

前回の<Vogue>インタビューで自身は'水が流れるように生きてきた'とおっしゃいました。そんなクリスタルが今、意欲を持っている目標は何でしょうか?

私は24という数字が好きなんですが、まさに今年が2024年なので、叶えたい目標がいくつかあります。一つ目は健康、二つ目は良い作品に出会うこと。最後に以前から挑戦したかったことを叶えられたらいいですね。 

 

 

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世界と向き合うクリスタルの眼差し

2017.5.15 Bausch+Lomb インタビュー

 

f(x)はいつも新しい試みをしているように思います。原動力はなんでしょうか?

楽な音楽ではないですが、今は私たちのやり方で表現するのが気楽になりました。振り付け、音楽すべて国内のガールズグループの中ではありふれていない感じじゃないですか。疑問符を歌うグループとして残りたいという気持ちはあります。各自異なる4人が集まっていること自体が新しい試みの原動力だと思います。

 

"ガールズグループはこうでないと"という公式を破ったじゃないですか。いつも明るく笑って女性らしく愛嬌がないといけないという。そこに合わせなかったことが心配だったり怖かったりしませんでしたか?

私は私らしい人になりたいです。誰かがかっこいいというから真似したら私は無くなってしまいますから。個性のある人が一番かっこいいと思います。たくさん悩んで考えると自分の選択に自信が生まれて怖さがなくなります。

 

f(x)の音楽はf(x)らしいのがジャンルだといえます。では"クリスタルらしい"とは何でしょうか?

自然な感じじゃないでしょうか?よく見られるために飾らず、焦らないところ。性格がそうなんです。飾ることとは遠いところにいます。また、出来事が私がやりたいようにだけなるわけではないと知ってから気持ちが楽になって、深く見通すようになりました。目標があって懸命に努力して、それが積み重なって自信になって、自然になるんだと思います。

 

どんな時に"本当に私らしい"と感じますが?

演じるキャラクターや、私の名前の後に付く修飾語と私の姿が一致するときだと思います。普段からも人の視線を意識せず、正直な私の姿を表現する方です。私が広報モデルとして活動しているボシュロムのキーメッセージが"世界の視線に挑戦する"なんですが、本来の姿と繋がる部分があります。こういう撮影をするとき本当に私らしい姿を見つけられる気がします。

 

広報モデルとして活動しているボシュロムのようなカラーレンズを普段もよく着ける方ですか?

普段ステージでの表情や目つきをもっと綺麗に目立たせるためにカラーレンズを着ける方です。着けたとき演出される視線がくっきりと決まって、特別な眼差しを演出すると思います。私はボシュロムの5種類あるカラーのうち、私の名前と同じクリスタルブラウンを好んで着けます。ボシュロムだけの色合いで眼差しをよりはっきりと自然に表現してくれるんです。

 

"ちょっと笑って"、"すごく静か"、"何か言って"などなど。芸能人、ガールズグループに人々が期待することとクリスタルのイメージはかなり違うじゃないですか。

初めはずっと冷たいという言葉を聞いたので気後れした時もありました。幼い頃から人見知りがひどかったんです。でも最近は違います。大部分の人が見るのは私の一部じゃないですか。私にとって"静かで冷たいクリスタル"じゃない姿が多いですから。私は私らしくしよう。自信を持とう。視線を楽しもう。自ら決めました。

 

その期待が"クリスタルらしいこと"に変わるまでの過程は容易ではなかったと思います。

実は、以前は私のことがよく分かりませんでした。初めて会う人と気兼ねなく過ごしたりよく笑う方ではないので、私の表情を見て"冷たい"や"怒ってるの?"と尋ねる人も多いです。そんな言葉を聞いて私がそんな風に見えているのを初めて知りました。それでも周囲の人は私がそうじゃないことを知っていて、私もまたそれを知っているので。気に留めず本来の姿で活動してみると、ありのままを好きになってくださるみたいです。"クリスタルらしい"という言葉も私らしいことを認めてくれるので有難いです。

 

芸能人だと"世間の視線"に対してどの20代よりもよくお分かりでしょう。私たちは他人の視線をどうやって受け入れたらいいでしょうか?

他人の視線をあまりにも意識すると本来の自分の姿が嫌になると思います。私も過去には人をもっと警戒して、心を許して笑うこともできませんでした。て本当に気を使わなければいけないのは他人の視線ではなく、自分自身の幸福ではないでしょうか。世間の物差しを気にしないでください。望むものは何なのか悩んで、それを得るために経験する全ての過程が私を作る過程だと思います。過程で得る自信が"私らしさ"になり、私らしくあることで本当の私の姿を見つけられると思います。もちろん簡単ではないでしょう。

 

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新しく大胆な航海 俳優 チョン・スジョン

2021.7.28 big issueインタビュー

https://bigissue.kr/magazine/new/277/1401

 

ある問題でなかなか解き方を見つけられない時、'あの人ならどうするだろう?'と想像してみたなら、既にその人のカリスマに魅了されているということだ。チョン・スジョンのインスタグラムフィードには数日後、青緑色の海の上で泳ぐ写真が上がった。何かをするかしないか悩んだらただやるタイプ。もつれなく明快なチョン・スジョンのイメージは本人のフィルモグラフィーとも一致する。スクリーンデビュー作〈父親叫喚〉で自分の主張を最後まで貫く決断力のある'トイル'は、チョン・スジョンだから観客を説得させるキャラクターだと言っても過言ではない。今年公開されたNetflixオリジナル映画〈甘酸っぱい〉を通じてチョン・スジョンは、また一つ大胆な選択をしたようだ。壊れた役も躊躇わずやり遂げながら次、また次の選択を期待させるのが俳優チョン・スジョンだ。いつも新しく大胆な彼女の航海が楽しみな理由だ。

去る6月、Netflixオリジナル映画〈甘酸っぱい〉が公開されました。この作品で自身が演技した'ボヨン'は恋愛のために留学を諦めない人物です。ひときわ愛や外部条件に振り回されないキャラクターによく出会うみたいですね。役をオファーされる時、自身のどんなイメージから意見のあるキャラクターを見つけるのか考えたことはありますか?

実は監督は私に意見があるのか無いのかよくわからない状態で会ったんですよ。(笑)私が会った監督たちは皆んな私がとても強くて意見があるように見えるとおっしゃいます。たぶん私の顔つきのせいでそんなイメージがあるみたいです。今まで演技したキャラクターと私が実際にある程度似ている部分はありますね。

 

ボヨンの第一印象はどうでしたか?イ・ゲビョク監督に直接提案して新しく作り出した部分もありますか?

原作映画〈イニシエーション・ラブ〉を見て、'あ、これはキャラクターを上手く作ったら面白そう'と思って選びました。ボヨンは私がやったことのないキャラクターです。私はそこまで壊れたこともないし、ボヨンらひとりの男性を意を決して誘うありふれたキャラクターでもないじゃないですか。憎めなくて現実的だと思いました。かなり気に入りましたね。実はボヨンというキャラクターは現場で作られたと言えます。例えば服のどこかにサムジャンを落としたらそれに付けて食べるし、こういうことを決められてはいないんです。撮影に入る前にはあまり描かれないんですが、現場で話をしながら監督が私のある姿をすぐにキャッチして映画に使ったりその時その時で即興的にアイディアを提案してくださいました。

ラーメンを食べると髪の毛が一緒に口に入っていくとか、シャツに落ちたサムジャンに何か付けて食べるとか、コミカルな要素が多いです。演技するとき負担は無かったですか?

私はただ'指示されればやります'という態度でした。ですが'大丈夫ですか?本当に?'と聞きはしました。(笑)

 

イ・ゲビョク監督はインタビューでチョン・スジョンさんはコミカルな演技が上手くて面白かったと言及されました。〈父親叫喚〉も四字熟語で会話するといった面白い要素が多い映画で、それを良く表現していました。普段ユーモアセンスがあると言われる方ですか?

私がコミカルな演技をしたというより、作られた状況自体が面白かったんだと思います。親しい人達といるとき、知人が面白いと言うポイントがありますが、それは私が笑わせようと意図したことではないので私もなぜ面白いのかよくわかりません。(笑)

Netflix映画に出演することはどんな経験になりましたか?私は世界に同時公開されるプラットフォームの特性上、期待や負担が大きそうに思います。

〈甘酸っぱい〉が劇場公開しようとしたところにコロナ19のせいでNetflixになったのですが、その話を聞いて皆すごく喜びました。この時局に映画に接しやすいチャンネルがOTTじゃないですか。もし劇場で公開されていたら惜しかったと思います。たくさんの人は見られないからです。OTTで出ると聞いて、韓国だけでなく全世界の人達が見られるから本当に良かったと思いました。

 

相手役'チャンヒョク'(チャン・ギヨン)は良い男性と見るには難しい人物です。実際にチャンヒョクのような人と関わったらどうでしょうか?

とても疲れそうです。関わりたくないです。(笑)

 

映画ではまだ素敵な相手に出会えていないようにも思います。〈父親叫喚〉のお坊ちゃん'ホフン'と〈甘酸っぱい〉の'チャンヒョク'を比較したらどちらが良さそうですか?

それでもホフンはひたむきで純粋な男性じゃないですか。優しくて。(笑)二人とも長所短所がありますが、チャンヒョクも最善を尽くすと思います。(彼女がいるのに)ボヨンに心が揺れるからとデートしたりはしないじゃないですか。逃げて避けようと努力して状況上そうなったんです。見ながら'ああいう人はたくさんいそうだけど?'と思いました。とても現実的なキャラクターのようです。たぶんご覧になりながら多くの人がドキッとすると思います。(笑)

前作〈父親叫喚〉のチェ・ハナ監督と厚い親交を持っているようですね。第一印象について'アッサ(アウトサイダー)はアッサが分かる'と言っていましたが、同年代だから通じる点が多かったんでしょうか?

かなり親しいです。暇さえあれば連絡します。'監督、何してますか?'って。初めて見た時から何かお互いに分かる感じがして、私たちはとても合いそうだと思いました。私が仲良くしている友達がみんな似た雰囲気なんですよ。気が合う感じがあると言ったらいいのかな。ところがハナ監督を見るやいなや私の知人たちととてもよく合いそうな人だったんです。

 

どんな感じですか?

ユーモラスで前に出るのはあまり好きじゃなくて、言葉の通りアッサの感じです。人が好きだと言うことは好きじゃなくて、人が興味のないことに興味があって。

自身が'アッサ'タイプだと思いますか?

私の職業が芸能人なので多くの方が突然'インサ'だろうと思っていらっしゃるようです。でもよく分かりません。ただあえて'インサ''アッサ'と分けたくなくてあまり気にしません。(笑)

 

スクリーンデビュー作〈父親叫喚〉で俳優チョン・スジョンの演技に驚いた人が多くいました。もちろん良い意味でです。次の作品を選ぶとき負担になりませんか?

私はどんな作品をしようと次の作品に負担を感じる方ではありません。なぜならいつもこれまでやったものと違うものを選ぼうと努力するんです。とても似た人物はやりたくないです。しきりに新しいものを渇望するせいなのか負担はありません。もしも私が似たものを2.3回続けてやったら少し負担になるかもしれませんが、まだそうではありません。

 

最近、軍人(〈サーチ〉)と妊娠5ヶ月の妊婦(〈父親叫喚〉)、契約社員(〈甘酸っぱい〉)を演じて、すぐに放送されるドラマ〈警察授業〉では警察大学の学生を演じます。なんとなく演じる役が平凡ではないように思います。

軍人役が入ってきた時はとても新鮮でやってみたかったです。ドラマに女性の軍人はあまり出てこないじゃないですか。そして〈警察授業〉の'ガンヒ'は警察大学の学生で、ある意味軍人と似て見えるかもしれませんが、大学の新入生なので青春ものの初々しく明るい面があって惹かれました。トイルは妊婦のキャラクターなので負担がありましたが、シナリオを読んだらやらない理由がないんです。トイルをやったので、これから他に何をしても大丈夫だと思いました。(笑)

〈父親叫喚〉ではどんなセリフが一番記憶に残っていますか?

お母さんと結婚式場に一緒に入っていくシーンです。その時お母さんとする会話が良かったです。'好きかもしれないからするんだよ。そうじゃなかったら離婚するでしょ、まぁ。なんで!私たちも上手くやってるじゃない。'気を引き締めさせる会話のようでした。

 

〈父親叫喚〉でトイルの母親、父親を演じたチャン・ヘジン、チェ・ドンムンと呼吸を合わせました。経験豊かな先輩演技者たちと一緒に演じることは難しくないですか。

私はとても人見知りするんですが、幼い頃から仕事をしながら人に対する態度のようなものは多く学んだと思います。そして先輩たちが家族のようにとても気楽に接してくださいました。本当のお母さん、お父さんのように親しく過ごしました。今も集まればあの時はとても良かったといつも話をします。先輩たちもその記憶が良かったみたいです。チェ・ハナ監督にも'監督、次の映画に私を使わなかったら本当に裏切り者だよ'って。(笑)シナリオが出来たら私にまず見せてと言いました。

 

好きな映画やドラマの中で一度演じてみたいと思うキャラクターはありますか?

なにか作品を見ながらこの役をやってみたいと思う方ではなくて、ただ漠然と将来的に私によく合うキャラクターがあったらいいなと思います。あ、ソフィア・コッポラ監督の"ヴァージン・スーサイズ'に出てくる主人公のような役をやってみたいです。その映画が本当に好きなんですよ。全体的なムードも良いし、キャラクターも複合的なので韓国でリメイクされたら私がやってみたいと思いました。

もう7月で、2021年の半分が過ぎました。上半期を過ごして名残惜しい点と今年が終わる前にやってみたいことはありますか?

名残惜しくないです。すごく一生懸命生きてきたんですよ。(笑)作品の撮影もして、撮影する前に運動も頑張ってやってよく休みました。海外に行けなかったのが少し残念ですが後で行けるじゃないですか?昨年ドラマを終えてテニスを習い始めたんですが、またドラマ撮影に入りながら出来なくなってしまいました。ヒーリングにもなるし、ストレスも吹き飛ぶので時間ができたらまたやりたいです。

 

すぐ明日海外に発てるならどこに行きたいですか?

暖かい海がある島国に行きたいです。

 

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LIKE THE SEA

2021年4月号 marie claireインタビュー

https://www.marieclairekorea.com/celebrity/2021/03/like-the-sea/

透明で深い海を思い起こす、ポロラルフローレンとクリスタルが共にした瞬間。

 

 

服が1日の気分を決めたり、またある日には服から力を貰うというじゃないですか。スジョンさんにとって服とは何ですか?

人は誰かを見るとき服装をよく見るじゃないですか。そうしたらダメですが、何を着ているかによって'あの人はどうだろう'と判断したりします。こういう面から服が自身を表す場合が多いと思います。私は仕事をしながら比較的多様に服を着ているので普段ではそれほど着飾る方ではないです。それにそういう時が一番綺麗だと思います。私もそうだし、誰でも。何でもシンプルでクラシックなのが後で見てもかっこいいと思います。私の性格がもともとそうでもあるし。

 

大げさにしたくないという風に聞こえます。

華やかさの基準がそれぞれ違いますが、私は普段はイヤリングひとつだけでもすごく着飾っている気がする時があります。ご飯を食べに食堂に行くのに、その席で私がフルメイクでイヤリングまでしていたら、ものすごく私一人がいっぱい力を入れているような感じです。でも最近はこのご時世で着飾って外出することがほとんど無いので一度くらいは気分転換のために気を遣うときもあります。少し前にはオンニ(ジェシカ)に'あなたももうちょっと着飾りなさい'と言われました。(笑)

 

昨日寝る前に映画〈父親叫喚〉をまた見ました。2回見たのでスジョンさんがこの作品を撮影しながら密かに楽しそうだと思ったんです。

そうです。本当にそうでした。私の初めての映画でもあります。監督が私と1.2歳しか違わないし、人と一緒に撮影しながら共に作っていく過程がとても楽しかったです。

 

過ぎてみて今になって感じることはありますか?

過ぎたことは考えないようにします。'あの時なぜあんな風にしたのかな?'と後悔したり悩んだりしたくなくて、過ぎたことはよく見ません。作品に対して今になって感じることがあるというよりは、この映画が作ってくれた記憶がとても好きです。来週も(チェ・ハナ)監督と会うんですよ。私たちは会うと2年前に撮影した作品よりはこれから何をするかについてもっと沢山話します。これからやることになる作品に対して意見を聞いたりもします。過ぎてみると人が残りますね。共にした先輩たちもそうですし。

 

チェ・ハナ監督が俳優チョン・スジョンを充分に活かしたという感じも受けました。俳優としてどんな風に活用されたいと思うときがありますか?

うーん…こんな気持ちはあります。見る方々がこの人はこんなキャラクターをよくやったからこうなんだ、と断定しないでほしいです。私のこんな姿を見た後、違うものを着せてみたいと提案してくれることを、そうやって私を活用してほしいです。新しいことをやってみたいし、見る方々が飽きないように。なぜ俳優は多様なキャラクターに変身するのに、それでもどんな役割をしても中心となる各自のスタイルがあるじゃないですか。突然がらりと変わるのは難しいと思います。そうやって豹変できる人も何人もいないですし。領域を広げるだけです。領域を少しずつ広げていく途中で、その中で私を多様に活用してほしいです。

 

演技は完全に自分としては理解できない誰かになる仕事じゃないですか。誰かを理解しようとする努力は難しくないですか?

人によって違いますが、私は人物にハマって影響を受けるタイプではありません。'わぁ、私と全然違うなぁ'です。だからキャラクターの行動が理解できなかったら、なぜこうなのかと聞いてみます。どんなキャラクターを演技しても自分と似た部分があるものですが、それでも100%私ではありませんから理解できない部分も当然あるんです。演技として表現する過程でとても作り物のようだとバレバレなので、理解しようと努力しながらずっと質問するみたいです。'監督、この子はなぜここでこんなにイライラしてるんですか?私はイライラしないんだけど?'って。(笑)すると監督が説明してくれます。'この子はこうだからこうで、こう生きているからそうやって考える'と。そうすると私は考えながら'うん、そう、そうだね!'とまた演技します。私は天才じゃないから。どうしたら全て分かりますか。充分に理解できないときもありますが、そういう時は周りの人達に助けてもらいます。

 

この過程が楽しかったように感じます。初めから演技が楽しいと感じていましたか?

演技を始めたときは大層な抱負や覚悟があったわけではありません。時にはやらないといけないからやりました。そうしていて〈刑務所のルールブック〉をしながら視覚が少し変わりました。演劇の方で長く活動された俳優が沢山登場するドラマじゃないですか。その時親しくなった方々が皆んな演技に造詣が深い方達なので。私がその間経験した世界とは完全に違いました。せめて会食の席だけでも感じや雰囲気から違います。ただその日そこに座っているだけでも影響を大きく受けたと思います。'私がこの仕事をするのにこれじゃあダメなんだな'と反省もしました。監督も、現場もとても良くてその時面白さが少し分かるようになまたと思います。それ以後は前より台本ももっと集中して見て努力もするようになりました。

 

スジョンさんのこういった変化を周りから気付かれたりもしましたか?

前に〈刑務所のルールブック〉で共に演じた俳優の方たちに会ったのですが、一度も私と一緒に登場したシーンがなかった方が'スジョンア、ちょっと俳優の雰囲気が…'と言うんですよ。(笑)一緒に出演した俳優(イム)ファヨンオンニととても親しいのですが、オンニも'あなたが演技に対して少し慎重になったみたいで、その姿が良く見える'と良い話をしてくれたりもしました。でも私がそういう言葉を特にやったことがなくて、私でさえも分からない何かを感じたようなんですが…どうでしょう…

 

うーん…普段自分について説明しない方でしょう?

はい。全然しないです。

 

でもインタビューは自分自身について一語一句話さなければならないので大変でしょう?

はい。私はそれが難しいです。なぜインタビューをすると'スジョンさんはどんな人ですか?'と聞かれますが分かりません。自分に対する考え事はたくさんします。でもそれを敢えて…

 

大衆にどう見られようという計画もあまり立てなさそうです。

一度も何かを計画しようとしたことは無いです。

 

計画はなかったけれど多くのことを叶えました。

でもこの職業は私が何かを計画しても叶うものではないじゃないですか。'ものすごく有名なある監督の映画を撮るぞ'と計画してもそれが叶うわけではないですから。だから私はいつも水が流れるように生きるんですよ。その間で決定が必要な瞬間ごとに正しい選択をしようと最善を尽くしました。でもどんな選択をしても後悔はしませんでした。一度も。

 

結果に関係なく?

以前あるドラマの出演提案を受けたんですが、その時私が心情的に準備が出来てなかったんです。準備が出来ていない上に、当時は無条件で休まなければいけないと考えて、撮影期間が決まっているので結局受けませんでした。周囲は無条件でやりなよと言ったのにやりませんでした。なぜかというと私は自分がもっと大切だから。あとでその作品が上手くいっても私の選択を後悔はしません。'あれはあの人がやる運命で、またあの時に戻ったとしても私はやらないだろうな'と言います。誰かが上手くいくことに腹を痛めたり羨む性格ではないです。'そうなる運命だったんだ、あとで上手くいけばいいでしょ'です。

 

でもこの仕事をすればするほど'私は自分がもっと大事だ'と思う気持ちを持つことが難しくないですか?

私も恐らく初めからこうではなかったでしょう。もうデビューして10年が経って、今もものすごく余裕があるわけではありません。幼い頃は何しろ無我夢中で時間を過ごしたからなのか、どうやって生きていたのかよく思い出せません。それがすごく嫌なんです。それでも4〜5年前からは私を少し優先順位に入れないと、と思いました。いつ休めばいいのか、いつまた仕事をすればいいのか、私が決めるからバランスが合って、その時から心の余裕を探し始めながらもっと肯定的に変わったみたいです。私がストレスを受けているという事実がとても嫌なのに、それでもストレスを受けますが最大限減らそうとしています。

 

そんな努力をしてみると暮らしがだんだん単純になりそうですね。

そうです。単純にしようと努力してると思います。幼い頃は幸福が最高だと思って、幸福を勝ち取るためにたくさん努力していたみたいです。もっと幸せになれるようにしながら。

 

今よりもっと良い人生はどんな姿でしょうか?

今も良いんだけど。ただこうやって…

 

今の人生で1スプーンだけもっとあれば良いと思うことはありますか?

自由。私は怖がりだからかもしれませんが、完全に100%私であるのは大変そうです。努力はしますが。

 

スジョンさんが似たい人はどんな人ですか?

度胸と自信がある人。私はいつも'うう〜ん'と言って隠れるタイプなので、積極的で親和力溢れる人を見ると私とは違う風に生まれたんだなと首を傾げながらも一方では尊敬するようになります。でも本当に変わりません。今はそれでも好きになった方です。

 

怖がりとして生きていく中で時々強くなるのはいつですか?

私が自分に自信がある時です。例えば演技するとき少なくとも'このシーンは自信がある'と思えばその時は強くなるみたいです。一瞬ですが。

 

現場で強い人達によく会いますよね?精神力が強くて…

あ、そういう部分は私も強いです。(笑)私は強いと思う。

 

そうです。スジョンさんだけの強さがあるから今まで10年を超えて仕事ができるのではないですか?

そうですね。私も一つはあります。強者に強くなろうとしています。弱者には弱くなろうとします。'強弱-弱強'は本当に嫌。(腕を上げて大きくXを作る)そんな人は、ダメダメ。強い人に強くなります。

 

クリスタルまたはチョン・スジョン

2020.3.18 COSMOPOLITANインタビュー

ひたすらに頑張って前だけ見て駆けてきた時間が過ぎた今、チョン・スジョンは少し力を緩めて生きている。人生の強弱を体得しているという彼女は複雑な言葉より'何となく(그냥)'という言葉をよく使った。その一言は思うより多くのことを説明した。

4年前姉であるジェシカと一緒に〈COSMOPOLITAN〉の表紙を飾りました。
COSMOPOLITAN〉は表紙から堂々として、大胆でありながら強いイメージが感じられるじゃないですか。私によく合ってると思ったし、それを表現できるのがとても良いですね。姉であるジェシカとの睦まじさはよく知られています。お互いに与え合う影響が多いと思いますが、活動をする時は独立的なようです。それぞれ追い求めるスタイルが違います。だから互いの領域や線を越えません。ですが悩みがあったら母と姉に一番たくさん話しますね。1から10まで殆ど全てです。自分が上手くできる事をやりたいと思うみたいです。できない事はやりたくもないです。ハハ。


今年だけで2本の映画が公開され、1本のドラマが放送されます。
2年前にドラマを終えて独立映画〈父親叫喚〉のシナリオを見たのですが、とても面白くて'やらなきゃ'と決心しました。撮影の途中で映画〈甘酸っぱい〉が入ってきて自然とやることになりました。2つの作品どちらも映画なので空白期間が長くなりましたね。心配はしました。空白期間が長いと忘れられるかもしれないし、私をぎこちなく思うかもしれませんから。ですが仕方がないですよ。もうそうなったものは。

大手事務所のアイドル出身であるスジョンさんが独立映画に出演するということは、意外な選択のように感じました。
独立映画はいつもやってみたかった仕事である上、20代初めの妊婦という設定と変わったキャラクターである'トイル'という人物にハマりました。実際私ではなく、私の周りの環境が私を産業的に見ているような気がします。私は独立映画も好きだし、マイナーな音楽が好きなんです。

〈父親叫喚〉は初の独立映画、〈甘酸っぱい〉は主演として初の産業映画です。'初'ということに意味付けをする方ですか?
以前は重要だと思っていました。初めに誰かが何かすれば後には別の人たちが後を追いますから。

9月に放送されたドラマ〈サーチ〉では陸軍中尉役を担いました。
普段から職業軍人役をやってみたかったです。台本も面白くて上手く消化できるだろうと思いました。新しいじゃないですか。私が軍服を着ているのを見た人もあまりいないし、私にとっても挑戦でしたから。


人々が見たいスジョンさんの姿はどんなものだと思いますか?
デビューして10年が過ぎましたが、まだよくわかりません。ファンは歌手である私を見たいでしょう。それは確実です。私もやりたいですがタイミングも合わなくて、上手くやりたい欲があって気軽にできませんでした。音楽がとても好きなので、いつかソロアルバムをひとつ作りたいと思います。

'きれい'という言葉より'かっこいい'という褒め言葉の方が好きだそうですね。
以前f(x)'4Walls'の舞台を終えて降りてきたのですが、通り過ぎる男性の後輩たちが私たちにとてもかっこよかったと言ったんですよ。それがとても大きく感じました。'きれい'、'かわいい'ではないのがとても嬉しかったです。

スジョンさんが思う'かっこいい人'とはどんな人ですか?
ただ嘘がない人?主観もはっきりしていて、言うことは全部言う人がかっこいいです。私も30歳を超えたらそうなるでしょうか?


韓国の歳でいつの間にか20代後半です。年齢に敏感な方ですか?
27歳という韓国の歳に慣れてはいません。韓国もアメリカのように満年齢に変わったらいいなとは思います。ハハ。でも私は30代になったらいいと思います。知り合いのオンニ達の話を聞いてみると20代の時よりもっと落ち着きながら余裕を探して、本当に自分のために何かをするようになると言うんです。だから私の30代がもっと気になるし楽しみです。

30代になる前にやりたいことはありますか?
最近友人達と夢の話をたくさんします。'夢は何?'と聞きながら私は'私が本当に好きなことは何か、何をもっとやりたいか考えているところ'と答えます。こういう悩みをし始めて1年くらい経った気がします。それまでは考える暇もなく走ってきました。流れるように生きながらも瞬間ごとに最善を尽くしました。初めて心の余裕を求めて'ダメならどうしようもない'と言うと人々は'どうして頑張らないの?'と畳み掛けます。そうすると私は少し悔しいです。'私がこれまでどれだけ一生懸命やったのか、今も仕事のときは頑張ってるって!'と抗議したいです。今になって余裕を持つようになりましたが、人はそれだから私の歳がとても幼いと言います。それが最近の悩みです。

アイドルは人が10〜20年に渡ってすることを5〜10年に圧縮して生きていると考えます。だから人より少し遅れても彷徨う時間が必要だと思います。
映画を撮ったとき、あるスタッフの方が以前はアイドルというと先入観があったけれど、他のアイドルと撮影しながらとても尊敬するようになったと言うんです。仕事をするときの情熱が人並みはずれていると。実は私はこれをたくさんの人が知ってくれたらいいと思います。私もまた活動盛りの頃は'アイドル'という言葉自体を自ら貶すようにしたことがあります。アイドルというのが少し嫌だったんだと思います。でも今はとても誇らしいです。私がそれを成し遂げて、いつでもまたやることができるし、またそうできる人は何人もいませんから。

.말을 자주 썼다. 그 한마디는 생각보다 많은 것을 설명했다.

チョンスジョンが気の狂うほど殺したい人間はキムジェウク?〈クレイジーラブ〉画報


〈クレイジーラブ〉の中のチョンスジョンとキムジェウクはお互いに骨の髄まで憎み骨の髄まで理解するようになった。

冷美男、冷美女に挙げられるお二人がロマンティックコメディードラマ〈クレイジーラブ〉で出会いましたね。スジョンさんはドラマ〈Police Academy(英題)〉が終わるやいなや新しい作品の噂が聞こえてきました。
チョンスジョン(以下'スジョン')
私が元々こうやって続けてするタイプではないんですが、機会を逃したくないと思ったらこうなっていました。ロマンティックコメディーは初めてでもあります。またジェウクオッパが出ると言うので。(笑)

ではジェウクさんの意見を聞かないとですね。(笑)2019年のドラマ〈彼女の私生活〉以降2年を超える空白期がありましたね。普段作品を選ぶのに自分だけの基準があって、それがずっと変わり続ける方のようですが。
キムジェウク(以下'ジェウク')
私は台本を読むとき最初の感覚がとても重要と思う方です。作品のクオリティだけでなくその作品を読むとき私の個人的な状況や、悩む視点が絡み合って良い感じの時があるじゃないですか。休んでいる間、有難くも提案は沢山きたのですが、どういうわけか2年があっという間に過ぎ去りました。本当は休みたくないのに。そしてコロナ19のせいで私もやはりコロナブルーに少しかかったみたいです。それで怖くて深刻な雰囲気よりは何も考えず見て笑える作品をしたら私も見る人も楽しいのではと思った拍子に〈クレイジーラブ〉の台本を見ました。
 
'殺人予告を受けたろくでなしの講師と余命宣告を受けた秘書が描く甘く殺伐とした大熱狂クレイジーロマンス'〈クレイジーラブ〉はどんなジャンルのロマンスを扱いますか?
スジョン
私たちもその質問をいつも受けます。"このドラマのジャンルは何""ロコ(ロマンスコメディー)なの?コメディーじゃない?"と(笑)

ジェウク
騒動劇に近いと思っていただいたらいいと思います。お互いに憎み合った二人が争いながら情がうつってロマンティックな関係に発展する作品はとても多いじゃないですか。ですが序盤にその憎悪する程度がすごく酷いです。以前、故ブリタニー・マーフィーとアシュトン・カッチャーが出演した〈ジャスト・マリッジ〉という映画がとても面白かったのを思い出したんです。結婚して新婚旅行に行って気の狂うほど喧嘩するカップルの話です。

 
'ノゴジン'、'イシナ'を演じたとき互いにパッと思い浮かんだイメージは何でしょうか?
ジェウク
状況は言えませんが'シナ'が'ゴジン'に対してどうしたらいいかわからず"すみません"と言うシーンを最近撮影しました。その表情がとても'シナ'のようで可愛いんです。チョンスジョンは跡形もなくまさに'イシナ'だと思いました。

スジョン 
'ゴジン'というキャラクターは天才に強迫症がある人物です。秘書として働く'シナ'にリングバインダーをいつも5.5cm間隔で穴を開けさせるのですが、間隔が違うと騒ぎ立てるシーンがあるんですよ。"5!点!5!センチ!"と言いながら、指でこうやって間隔を表しながら(笑)

スジョンさんは今まで多様な人物を演じてきましたがいつも積極的なキャラクターばかりだった気がします。内気な性格の'イシナ'と俳優チョンスジョンが意外な組み合わせだと思いました。

スジョン
余命宣告を受けるまで'シナ'は秘書として誠実ですが消極的で言いたいことも言えない人です。そのストレスで病気になり余命わずかと宣告されるんです。それから'復讐しないと'と心に決めて自分勝手に生きる性格に変わります。二つの姿をどちらもお見せできる人物だと思ってより欲が出ました。

ジェウクさんファンの間ではウェブ人気講師'ノゴジン'に変身したポスターの中のキムジェウクが全く違和感が無いと評判です。
ジェウク
私が学生の頃はウェブ講義のようなものが無かったから'1打講師'が学生たちにとってどんな存在なのか、この作品を通じて初めて知りました。講師の中にはどんな人がいて、リファレンスとして使えるものがないか講義映像を沢山見たのですが、それぞれ自分だけのスタイルがあります。ある人は講義しながら悪口を言うし、ある人はタメ口で、ある人は半分敬語で。だからただ私のやり方で解釈すればいいんだという結論に至りました。

スジョンさんは元々マニッシュなスタイリングがよく似合い、ジェウクさんには'ミンソヌ'や''ワッフルソンギ'に代表される'花美男'のイメージがありますよね。撮影しながら性別が入れ替わったら面白いだろうと思うシーンはありましたか?
ジェウク
毎朝、秘書である'シナ'が'ゴジン'のために準備しなければならないルーティンがあります。モーニングコーヒーとアップルミント3ピースなど。そのシーンは性別が入れ替わってもシンプルで面白いと思います。

スジョン 
でも本当にオッパのキャラクターと私のキャラクターは男女が入れ替わっても面白いだろうと一度は考えたりもしました。

セクシーな男性秘書が毎朝コーヒーを淹れてリンゴを剥いてくれる自営業者の人生を一度は夢見ますよね。そんな題材のドラマが出たら大ヒットしそうですが(笑)
一同:(笑)

スジョン
私は想像シーンで取り入れてみたい。

ジェウク
一度提案してみよう。想像シーンで反対の状況を完璧に消化する。"申し訳ありません…直します。"

スジョン
私は'ノゴジン'を上手くできると思う(笑)

ジェウク
うん、上手そう。

お二人は誰かを'愛してる'と感じる瞬間がいつだと思いますか?
ジェウク
(熟考の末に)理解しようと努める瞬間じゃないでしょうか?私ととても長い時間を離れて生きてきた、異なる領域で生きる人を理解しようと努力する自分に出会う時。

スジョン
うん、そうだと思います。

ジェウク
互いに絶え間なく気になるから対話を続けたいし、ずっと一緒にいたいのが恋愛だとすると、愛はもっと深く大きな概念として理解と尊重でしょう。

その気持ちが返ってこなくてもいいですか?
スジョン
私は返ってこないといけないんだけど(笑)

ジェウク
戻ってこないとダメ?

スジョン
私はあげた分だけ貰わないと。

ジェウク
ハハハハ!

スジョン
私に返ってこなかったら"なんでくれないの?"ってなる性格(笑)

映画〈甘酸っぱい〉の終わりに'ボヨン(チョンスジョン)'が指輪を差し出す'ジャンヒョク(チャンギヨン)'を拒絶して"私そこまでじゃないです"というシーンを思い浮かびました。自身が望む愛情がどのくらいなのか明確に分かっているタイプですか?
スジョン 
そういう人がいるじゃないですか。簡単に話をして'答えは決まってる'。私はこれが欲しいのにそうしてくれないと"こうやってやらなきゃ!"と話します。正確に話してあげないと相手は分からないんです。

ジェウク
その過程を楽しんでるの?

スジョン
ううん。(笑)勝手にやってくれたらいいよね。

スジョンさんは最近も自然に"クリスタルです"と挨拶するんですね。
スジョン 
私にとってはチョンスジョンも私だしクリスタルも私です。クリスタルとしてデビューしたので私はクリスタルでしかないと考えたりもします。あえて"これからは演技をするからチョンスジョンです、チョンスジョン!チョンスジョン!"とするのは恥ずかしいです。それに私はクリスタルという名前が好きです。

アイドルから俳優は転向した場合、通常そういったレッテルをより警戒するでしょう。
スジョン 
アイドル出身というレッテルが一番大きく長い方ではありますね。

それでも気に留めないんですか?
スジョン
全く気にしません(笑)それに私はそれが'誇り(proud)'な方です。なぜなら私はどちらもできるから。それを隠すよりも"私はこれをやってきて、これからはこれもできる!"という態度がより好きみたいです。そして初めにそのレッテルが私に良くない影響を与えたならジェウクオッパとドラマをできなかったんじゃないでしょうか?そういう部分ではただ自分を信じて進む性格です。

クールですね。
スジョン 
(小さく)クールじゃない時もすごく多いです(笑)

俳優として自分に似合うイメージをどの程度見つけたと思うかも気になります。
スジョン
'これは私だ!私が絶対にやらないと'と思ったことはありません。ただ台本がとても面白くてキャラクターが興味深ければ'私がこのキャラクターを上手く演って似合うようにしないと'と思います。

ジェウク
それともこういう事はなかった?撮影に入る前に台本だけ見ただけでも'どうやって演技しよう'と頭の中に広がる経験。

ジェウクさんにとってそんな作品は何でしたか?
ジェウク
映画〈アンティーク〜西洋骨董洋菓子店〜〉の'ミンソヌ'やドラマ〈悪い男〉の'ホンテソン'がそうでした。傲慢なのかもしれませんが、なぜそうやって話して行動するのかが明らかに分かる人物だったんです。

お二人の人生キャラクターは誰だと思いますか?
ジェウク
うーん、今でも私を考えるときに多くの方がまず最初にドラマ〈コーヒープリンス1号店〉を思い浮かべるようです。だから私の意見と関係なく〈コーヒープリンス1号店〉の'ノソンギ'じゃないかと思います。もちろん個人的にも最も忘れられない作品でもあります。

スジョン
私はまず映画〈父親叫喚〉とドラマ〈刑務所のルールブック〉が記憶に残っていますが、'人生キャラクター'というとよく分かりません。こういうのを選ぼうとすると選べません。

私は〈父親叫喚〉の'トイル'が一番印象深かったです。
スジョン
私も。あの映画を見た方達がそう思われるみたいです。私の時間と愛情が一番たくさん込められているキャラクターでした。
 
ではこれからやってみたい作品やキャラクターはありますか?
スジョン
やったことのないもの、やったことのない職業のキャラクターです。2017年から演技をまた始めて女神の役から平凡な大学生、詐欺師、妊婦、警察、軍人まで本当に多様な役をやってきました。そのキャラクターたちにどんな似ている面があるかもしれませんが、継続して私は新しい服を着ることに焦点を合わせてきました。

俳優としては〈刑務所のルールブック〉の時に現場に真摯に臨む先輩たちを見て気を引き締めたそうですね。今はどんな気持ちで演技していますか?
スジョン
ターニングポイントというなら、あの時が合っていると思います。まだそう感じます。最近は…朝起きたら'あぁ、もっと寝たい!'ですね(笑)ですが現場に行ったら最善を尽くして全てのエネルギーを注ぎます。

たしかに、俳優としての人生はもうかなり日常になったでしょう?
スジョン
実は私は今も現場と人に適応するまでひと月からひと月半くらい掛かります。それ以降は現場が楽になって私が持つ力量をもっと広げられるようになります。その頃になれば仕事をするという感覚よりは何か私がやらなければならないことをしている感じ?

ジェウク
そうしてみると撮影序盤と比べてテンションがかなり変わったね。

まだかなり人見知りするんですね。

スジョン
ものすごくします。私たちだけで台本読みをするときは少数の人だけ残りますが、現場には突然知らない人が99人いるじゃないですか。
 
こんな性格なのにコンサートはどうやってやっていたんですか?(笑)
ジョン
それは違います。舞台は観客と本当に遠く離れているじゃないですか。公演の時はまるで私をモニターで見ている感じがするんです。それに私はグループで活動していたから、舞台の上に私のファンがいるという安定感があります。

ジェウク
それにものすごく大きなコンサート会場で何万の人を前にして公演するのと、小劇場で公演するのを比べたら後者が遥かに緊張しない?

スジョン
そう。なぜなら観客の目が見えます、人が少ないほど。

ジェウクさんも2年半ぶりに撮影場に帰ってきたとき、ぎこちなさは無かったですか?
ジェウク
不思議と無かったです。(笑)緊張感が無かったということではなく、とても嬉しかったです。現場の慣れた空気の中に帰ってきたというのが。 

2002年にドラマ〈勝手にしやがれ〉でデビューし'演技は自分の道じゃない'と思ったのに良い演技のメンターに出会ったそうですね。
ジェウク
モデルの仕事をするとき事務所で演技のレッスンを支援してくれたのですが、その時の先生が私の恩師です。台本を分析しながら'ここではこんな呼吸、こんな発声をしないと'と勉強するよりもただ状況を自由に表現する即興演技をたくさんやりました。俳優が自ら持っている長所を増幅させて信じさせる力がある先生でした。

スジョンさんは演技する時どんな方法で接近するタイプですか?
スジョン
本能的にやるタイプです。キャラクターと叙事に対する研究は本当に基本的なものだけやります。事前にあれこれ研究して計算しておくとすごく混乱します。考えることがとても多いので現場で中途半端に出ます。現場に出たとき一度でバッと没入するのが感情表現がよく出来ます。オッパと行くさ来さ台詞を合わせるとシュッと入る頃にはリハーサルの時には出てこなかったものが出てくることもあります。

瞬間的な集中力が良いんですね。
スジョン
私は瞬間的な集中力'だけ'良いです。(笑)短くて太いです。

スジョンさんはクールでシンプルな人だと思っていましたが本当にそうですね。シンプルという言葉が悪口のように聞こえるかもしれませんが。(笑)
スジョン
私は'Simple is the best'だと思う人です。とても褒められてると思います。(笑)

いつも気になっていたことがあります。InstagramのIDが'vousmevoyez'ですが、フランス語の平叙文で'あなたは私を見ています'あるいは疑問文'私が見えますか?'の2つに訳せます。
スジョン
'あなたは私を見ている'です。2015年にInstagramをまた開設しながら'私がInstagramをやる理由はなんだろうか?'と悩んでみると、結局は'Instagramで人々が私をずっと見てるんだ'という答えが残りました。英語の文章はつまらないと思って'you see me'をフランス語で検索したらスペルがとても綺麗なんです。ちょっと若い頃の見栄です。(笑)でも私はまだ気に入ってます。

人から注目されることを楽しみますか?
スジョン
幼い頃からそれに慣れていなくて、今も同じです。幼い頃はむしろ誰かが私を見つめたらその人が目を逸らすまで最後まで目を合わせてたんですよ。デビュー初期までもそうだったみたいです。

アメリカで生まれたからかもしれませんね。アメリカでは知らない人同士で目が合うと知らない間柄でも自然に挨拶したり笑い合う文化がありますから。
スジョン
そうかもしれません。それくらいの歳に私がアメリカに行ったらお互いに'Oh,hey! Hi!'って挨拶してくれたんですよ。

ジェウクさんは好きでバンド活動をしたので性格が違ったのかなと思います。
ジェウク
スジョンとは少し雰囲気が違いますが目に付くことは好きではないです。いわゆる'目立ちたがり屋'の才能はないと思います。私がやりたい事の中にそれが含まれているのでやってきただけです。

確かにInstagramのアカウントを開設はしたけど、どこから始めればいいのかよく分からない人のような感じがします。(笑)
ジェウク
そんな感じが出てますか?(笑)私を応援してくださる方と交流したいのですが…とりあえず私が自撮りをほとんどしないので載せる写真が全然無いです。

いくつもないポストのうち、それでも半分は〈マイ マルジェラ〉シリーズの掲示板だったんです。ドキュメンタリー映画〈マルジェラ〉の公開に合わせてマルジェラにインスピレーションを受けた国内アーティスト4人と進行したインタビュープロジェクトですよね。
ジェウク
マルジェラというデザイナーの歩みが好きです。私は自分がやる作業で出来るだけ匿名でいたかったんです。マルジェラは実際にそうやって生きている人でしょう。私生活でどれだけ自由でどれだけ多くの場所で楽にインスピレーションを得られるでしょう。たまたまドキュメンタリーが製作されるという話を聞いて、その作品を人々に知らせたかったです。韓国のアーティストの中でも明らかにマルジェラに影響を受けた人がものすごく多いはずだという確信もありました。
   
(김재욱)실크 블라우스, 목걸이 모두 가격미정 돌체앤가바나. 팬츠 1백29만원 Y/Project by 10 꼬르소 꼬모. (정수정)점프슈트 89만원대 뮤제. 이어 커프 19만원대 스와로브스키.
高校生の頃からバンドをやってきましたよね。今はその気持ちがどうやって残っているのか気になります。
ジェウク
今もメンバー達とよく会うんですよ。いつかおじいさんになっても私たちが集まれたら、その時は気力が尽きてパワフルな演奏は大変なのでブルースのようなものをやろう、そんな話を笑い話のようにします。

ジェウクさんの以前のインタビューを見ながら俳優は俳優でも、'ロックスター'のような感じも少ししたんですよ。
ジェウク
以前のインタビューでですか?

以前ラジオに出演されたとき司会者が'友達の家に招待されたけど食べ物が酷かったら言うタイプか?'と訊ねると'遠回りにでも話すと思う。その程度は傷つかないと'と答えた内容がネットの映像で残っています。(笑)
ジェウク
私がそう言ってましたか?いつだろう、一体。(笑)私らしい答えではありますね。

正直な性格は相変わらずですか?
ジェウク
人は変わりません。成熟できるとしても、その本質は変わらないと思います。

成熟するということは何だと思いますか?
ジェウク
遥かにもっと柔らかい表現方法を学ぶことです。考えは変わらなくても、もう少し効率的で平和的に交流する方法を学んでいくことでしょう。幼い頃は私が正しいという確信があればただ飛びかかりますが、今は一歩だけ離れてみるともっと沢山の絵が見えるということを知るようになりました。

スジョンさんは今年最後の20代を過ごすことになります。年齢を意識して生きる方でしょうか?
スジョン
29歳に対する感興は一つもありません。少なくとも私にとって私はまだ10代みたいなんです。私は18歳、19歳の時も永遠に私は10代だと思ってました。数字はずっと増えます。でも私は…

ジェウク
そのままだよね。

スジョン
そうなの。笑えるのが、7年前Instagramに載せた文章を見てもあまりにも私なんです。'一体何が成熟したの?'と思う時が多いです。

先ほど'若い頃の見栄'と冗談を言いましたよね?
スジョン
20代始めにちょっと遅れた思春期が混ざった気がしますね。(笑)それでも私を10年以上見守ってきた周りの人達も私はほとんど変わっていないと言います。

シンプルイズベスト。
スジョン
はい。私はまた16歳にデビューして他の人が本格的に活動を始める歳に活動を終えました。22歳に出したアルバムが最後のアルバムだったからです。あまりにも多くの事を早く経験したとでもいうのかな?

クリスタルとして音楽活動をもっとしたいのに、それが出来なくて惜しい気持ちもありますか?
スジョン
あります。実は私が予想していたのとかなり違って仕事が流れていったんです。それでもいつかまた音楽をやることもできるし。私は流れるままに生きるタイプです。

ジェウクさんは40歳という歳をどのように受け止めていますか?
ジェウク
大げさに考えたことはありません。歳をとるという考えは30代後半からしています。悲しいとか嘆かわしいというより、私が20代だから発現できたエネルギーは、30代そして40代それぞれ違うと考えます。

スジョン
私がそうじゃなくてもオッパに言ったんですよ。覚えてる?

ジェウク
何だっけ?

スジョン
男は40からだ。(笑)

ジェウク
あ、そうです。スジョンが慰めてくれました。

慰めが必要でしたか?
ジェウク
いいえ。(笑)ただこれからは私の40代をかっこよく生き抜く基点に来たんだなという感じです。20代の私が'なりたかった姿'に執着するよりは、今の私がどんな人なのか伺って認めるんです。どうしたら私が幸せになれるか充分に悩んで私のための選択を少しずつ積み上げていきたいです。


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固有で堅固な、この上なくクリスタル

2022.8.22 VOGUE KOREAインタビュー
https://www.vogue.co.kr/2022/08/22/고유하고-견고한-더없이-크리스탈/

英国、午後、庭園、邸宅…この上なく丁重なクリスタル。

クリスタルは大衆に近寄るより彼らを自身に引き寄せる。それでもいいのは、彼がどうしても目に付くしかないからだ。

人間は誰しも少しは演じながら暮らす。志向と実在の間の間隔、それを埋めようとする欲望の大きさは彼が被る帽子のようで隠そうとしても隠せない。どうしようもないとしても、その全てのあがきが疲れる時がある。だから一種の飾り気から抜け出し流れる水のように生きる人達、自然に自分として存在する人に会うと嬉しい。私たちがこの人を好きということは、だからではないだろうか。

クリスタルはデビュー当初からそうだった。内向的で人見知りな性格を努めて隠すことなく、愛情を渇望して大衆に媚びることもなかった。だから'冷たい'と誤解を受けたが、彼をずっと見守ったファン達は彼の親切さと気さくさを知っている。やりとりの量が重要になった時代だが、彼は言葉の多さで記憶されるスターではない。きらびやかな言葉でインタビューを楽にさせてくれる締切界の大物でもなく、アイドルではあるがバラエティ番組にもよく出演し、所謂'ダメな'フリをして大衆を楽しませるスタイルでもない。質問のための質問に、知らないフリをして調子を合わせる代わりに照れ笑いで答える人、'成功のためなら出来ないことはない'という雰囲気を漂わせる代わりに!与えられた状況に最善を尽くす人、努めて自分を飾らないが内実は健康で正直さだけでいっぱいな人、それがクリスタルのイメージだった。このようなイメージも似合う人がいて、そうでない人がいるだろうが、クリスタルのオーラはそれで完成した。

f(x)として活動した時期、クリスタルは清純・セクシーに両分されたK POPアイドルの女性像に新しいキャラクターを自ら追加した。カリスマのある風貌と強い目つき、当時では珍しい腹筋の組み合わせは当然目につくもので、女性ファン達の熱狂を呼び起こした。ここに幼年期の海外生活を始めとした多様な経験から滲み出る洗練された感覚、トップスター姉妹のうち愛された妹であるという背景、特有の何気ない性格が結合して彼の気品高いイメージが完成された。彼がラルフローレンのアンバサダーとして長く活動したことは当然のことであった。単純だが彼の中にある強いキャラクターが視線をつかみ、古典的な気品とモダンが共存するというのは、それ自体がクリスタルの個性でもあるから。

'自分に一番似合うと思うものを着るのが最高!個人的にはトレンディーなファッションよりもクラシックなものが沢山欲しいです。10年経っても着られるもの。私が思う私のファッションアイコンは、ブリジット・バルドー、シャルロット・カシラギ、ジャクリーン・ケネディ=オナシス、キャロリン・ベセット=ケネディなど沢山います。実際に身近でインスピレーションを受けるのは母、父です。若い頃の両親の写真を見ると今すぐ着たいと思うほどかっこいいです。'

活動名にチョン・スジョンを追加して本格的に演技を始めてから、彼は新人に戻ったかのように役の大小に拘らず消化した。〈ハベクの新婦2017〉の華やかな女神ムラは固有のクールな美女のイメージを完璧に活用した作品だった。〈刑務所のルールブック〉の辛い恋をするジホは、彼を見る広い視聴者層に本格的な俳優として印象付ける役だった。その後〈プレイヤー〉の路地裏ドライバー、〈サーチ〉の決断力にあふれる軍人、環境を克服しようと頑張る〈 警察授業〉の意固地なガンヒ、初ロマンスコメディ〈クレイジーラブ〉の突飛なシナ、映画〈父親叫喚〉の非婚母トイル、〈甘酸っぱい〉の澄ました契約社員ボヨンまで、彼は作品や配役の規模を離れて'私にとって新しいか、私が出来るか'を基準にキャラクターを選択してきた。アイドルのクリスタルが難しい振りを簡単に踊るかのように見える人だったように、俳優チョン・スジョンは奥深い苦悩や動揺もなく自身に与えられる変化を淡々とやりこなす人のように見える。そうやってゆっくり、でも確実に、彼は俳優として足元を固めてきた。

最近チョン・スジョンはキャリアのまた違う転換点になる作品のひとつを終えた。キム・ジウン監督が演出しソン・ガンホ、イム・スジョン、オ・ジョンセ、ジョン・ヨビンが共に出演する〈蜘蛛の家〉だ。〈蜘蛛の家〉はチョン・スジョン の初メジャー産業映画になる。'(そういう事に)意味付けする方ではないけれど、初のメジャー映画が〈蜘蛛の家〉であることに意味が無いわけはないでしょう。現場の雰囲気が期待以上とても良くて、本当に楽しく撮影して、上手くやらなければという思いだけでした。イム・スジョンオンニとキム・ジウン監督は以前1、2度お会いしたことがあります。プライベートではない現場で一緒に作業できるということ自体がワクワクして本当に不思議でした。ソン・ガンホ先輩を含め、全ての俳優と共にできて光栄でしたし本当に良かったです。私がマンネだったので皆さんが私を沢山助けてリードしてくれて有り難かったです。'

〈蜘蛛の家〉の背景は1970年代だ。'全て撮り終わった映画〈蜘蛛の家〉の結末をもう一度撮るならもっと良くなるだろうという強迫に陥る監督(ソン・ガンホ)が検閲当局の妨害と変わった内容を理解できない俳優と製作者など、狂う一歩寸前の悪条件でも撮影を強行しながら繰り広げられる、壮絶で面白いのに悲しいことを描いたブラックコメディーだ。彼が生きていない1970年代をチョン・スジョン はどのように想像しているだろうか。'自由さが思い浮かびます。全てが一番自由だった'Decade'だったと聞きました。芸術的にも自由に多くのものを表現できた時代。その時代の映画、モデル、俳優、音楽、スタイルなど好きなものがとても多いのですが…いくつか選ぶならアメリカの〈Soul Train〉ショー、イタリア映画のポスターやサウンドトラックアルバムがとても好きです。そこに戻れるならその時代の俳優になりたいです。'

彼にとって〈蜘蛛の家〉はかなり楽しい作業だったようだ。チョン・スジョン は劇中で人気急上昇中の新人俳優として出演した。〈蜘蛛の家〉は白黒とカラーが一つのフレームに収められる独特な形式の映画として知られる。1970年代の俳優として分解白黒フレームに収まるチョン・スジョンだなんて、キャスティングがこれ以上に適切であることはない。彼には確実にクラシックな俳優のようなドラマティックなイメージがあった。

自身を表す趣味もなく、ナルシシズムとも程遠い彼はまだ画面に出る自身を見るのがぎこちない。好きな映画を何回も見るタイプでも、自身の作品はそのまま見ることができない。'気まずいです。知り合いとTVを見るときチャンネルを回して私が出るとリモコンを奪うか逃げるかします。'画面に出る自身がどれだけ美しいか、彼は今の自身から遠ざかった後年になって知る事になるだろう。

続けてドラマと映画の撮影、ファッションブランドの出張を終えたチョン・スジョンは現在LAで休息をとっている。'毎年秋になると私たち姉妹の伝統のようにスキーをした後、保養地へ旅行をします。例えばストーからバハマ、ベールからロス・カボスコースでした。でも最近数年間はコロナと仕事で行けませんでした。早くまた行きたいです。'スキーをする代わりに今回の旅行では料理をして音楽を聴きながら平和な日々を送る。'配達を頼んだり外食を多くしましたが最近はただ簡単なものでも家で作って食べるのが好きなんです。大層なものではありませんが最近はパスタ、キムチチゲ、キムチジョンなどを作りました。最近ハマっている音楽は、フリートウッド・マック(Fleetwood Mac)の'Dreams'。私のプレイリストにいつも入っている曲なんですが、最近また毎日聴いています。いつ聴いても気分が良くなる曲です。'

最後に彼にとって28がどんな意味か尋ねた。ファン達であれば充分に予想可能な、あまりにもチョン・スジョンらしい答えが返ってきた。奇抜な答えでないため拍子抜けするかというと、そうではない。これがまさに私たちが愛するチョン・スジョンだから。

'私には訪れないような数字でありながらも、いつも待ち望んでいた歳。特別な意味は無いと思います。私が人生のどんな段階にいるかは本人が判断するよりも人が決めてくれるようです。私はただいつも与えられた状況に最善を尽くして、これからもそうします。'

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