LIKE THE SEA

2021年4月号 marie claireインタビュー

https://www.marieclairekorea.com/celebrity/2021/03/like-the-sea/

透明で深い海を思い起こす、ポロラルフローレンとクリスタルが共にした瞬間。

 

 

服が1日の気分を決めたり、またある日には服から力を貰うというじゃないですか。スジョンさんにとって服とは何ですか?

人は誰かを見るとき服装をよく見るじゃないですか。そうしたらダメですが、何を着ているかによって'あの人はどうだろう'と判断したりします。こういう面から服が自身を表す場合が多いと思います。私は仕事をしながら比較的多様に服を着ているので普段ではそれほど着飾る方ではないです。それにそういう時が一番綺麗だと思います。私もそうだし、誰でも。何でもシンプルでクラシックなのが後で見てもかっこいいと思います。私の性格がもともとそうでもあるし。

 

大げさにしたくないという風に聞こえます。

華やかさの基準がそれぞれ違いますが、私は普段はイヤリングひとつだけでもすごく着飾っている気がする時があります。ご飯を食べに食堂に行くのに、その席で私がフルメイクでイヤリングまでしていたら、ものすごく私一人がいっぱい力を入れているような感じです。でも最近はこのご時世で着飾って外出することがほとんど無いので一度くらいは気分転換のために気を遣うときもあります。少し前にはオンニ(ジェシカ)に'あなたももうちょっと着飾りなさい'と言われました。(笑)

 

昨日寝る前に映画〈父親叫喚〉をまた見ました。2回見たのでスジョンさんがこの作品を撮影しながら密かに楽しそうだと思ったんです。

そうです。本当にそうでした。私の初めての映画でもあります。監督が私と1.2歳しか違わないし、人と一緒に撮影しながら共に作っていく過程がとても楽しかったです。

 

過ぎてみて今になって感じることはありますか?

過ぎたことは考えないようにします。'あの時なぜあんな風にしたのかな?'と後悔したり悩んだりしたくなくて、過ぎたことはよく見ません。作品に対して今になって感じることがあるというよりは、この映画が作ってくれた記憶がとても好きです。来週も(チェ・ハナ)監督と会うんですよ。私たちは会うと2年前に撮影した作品よりはこれから何をするかについてもっと沢山話します。これからやることになる作品に対して意見を聞いたりもします。過ぎてみると人が残りますね。共にした先輩たちもそうですし。

 

チェ・ハナ監督が俳優チョン・スジョンを充分に活かしたという感じも受けました。俳優としてどんな風に活用されたいと思うときがありますか?

うーん…こんな気持ちはあります。見る方々がこの人はこんなキャラクターをよくやったからこうなんだ、と断定しないでほしいです。私のこんな姿を見た後、違うものを着せてみたいと提案してくれることを、そうやって私を活用してほしいです。新しいことをやってみたいし、見る方々が飽きないように。なぜ俳優は多様なキャラクターに変身するのに、それでもどんな役割をしても中心となる各自のスタイルがあるじゃないですか。突然がらりと変わるのは難しいと思います。そうやって豹変できる人も何人もいないですし。領域を広げるだけです。領域を少しずつ広げていく途中で、その中で私を多様に活用してほしいです。

 

演技は完全に自分としては理解できない誰かになる仕事じゃないですか。誰かを理解しようとする努力は難しくないですか?

人によって違いますが、私は人物にハマって影響を受けるタイプではありません。'わぁ、私と全然違うなぁ'です。だからキャラクターの行動が理解できなかったら、なぜこうなのかと聞いてみます。どんなキャラクターを演技しても自分と似た部分があるものですが、それでも100%私ではありませんから理解できない部分も当然あるんです。演技として表現する過程でとても作り物のようだとバレバレなので、理解しようと努力しながらずっと質問するみたいです。'監督、この子はなぜここでこんなにイライラしてるんですか?私はイライラしないんだけど?'って。(笑)すると監督が説明してくれます。'この子はこうだからこうで、こう生きているからそうやって考える'と。そうすると私は考えながら'うん、そう、そうだね!'とまた演技します。私は天才じゃないから。どうしたら全て分かりますか。充分に理解できないときもありますが、そういう時は周りの人達に助けてもらいます。

 

この過程が楽しかったように感じます。初めから演技が楽しいと感じていましたか?

演技を始めたときは大層な抱負や覚悟があったわけではありません。時にはやらないといけないからやりました。そうしていて〈刑務所のルールブック〉をしながら視覚が少し変わりました。演劇の方で長く活動された俳優が沢山登場するドラマじゃないですか。その時親しくなった方々が皆んな演技に造詣が深い方達なので。私がその間経験した世界とは完全に違いました。せめて会食の席だけでも感じや雰囲気から違います。ただその日そこに座っているだけでも影響を大きく受けたと思います。'私がこの仕事をするのにこれじゃあダメなんだな'と反省もしました。監督も、現場もとても良くてその時面白さが少し分かるようになまたと思います。それ以後は前より台本ももっと集中して見て努力もするようになりました。

 

スジョンさんのこういった変化を周りから気付かれたりもしましたか?

前に〈刑務所のルールブック〉で共に演じた俳優の方たちに会ったのですが、一度も私と一緒に登場したシーンがなかった方が'スジョンア、ちょっと俳優の雰囲気が…'と言うんですよ。(笑)一緒に出演した俳優(イム)ファヨンオンニととても親しいのですが、オンニも'あなたが演技に対して少し慎重になったみたいで、その姿が良く見える'と良い話をしてくれたりもしました。でも私がそういう言葉を特にやったことがなくて、私でさえも分からない何かを感じたようなんですが…どうでしょう…

 

うーん…普段自分について説明しない方でしょう?

はい。全然しないです。

 

でもインタビューは自分自身について一語一句話さなければならないので大変でしょう?

はい。私はそれが難しいです。なぜインタビューをすると'スジョンさんはどんな人ですか?'と聞かれますが分かりません。自分に対する考え事はたくさんします。でもそれを敢えて…

 

大衆にどう見られようという計画もあまり立てなさそうです。

一度も何かを計画しようとしたことは無いです。

 

計画はなかったけれど多くのことを叶えました。

でもこの職業は私が何かを計画しても叶うものではないじゃないですか。'ものすごく有名なある監督の映画を撮るぞ'と計画してもそれが叶うわけではないですから。だから私はいつも水が流れるように生きるんですよ。その間で決定が必要な瞬間ごとに正しい選択をしようと最善を尽くしました。でもどんな選択をしても後悔はしませんでした。一度も。

 

結果に関係なく?

以前あるドラマの出演提案を受けたんですが、その時私が心情的に準備が出来てなかったんです。準備が出来ていない上に、当時は無条件で休まなければいけないと考えて、撮影期間が決まっているので結局受けませんでした。周囲は無条件でやりなよと言ったのにやりませんでした。なぜかというと私は自分がもっと大切だから。あとでその作品が上手くいっても私の選択を後悔はしません。'あれはあの人がやる運命で、またあの時に戻ったとしても私はやらないだろうな'と言います。誰かが上手くいくことに腹を痛めたり羨む性格ではないです。'そうなる運命だったんだ、あとで上手くいけばいいでしょ'です。

 

でもこの仕事をすればするほど'私は自分がもっと大事だ'と思う気持ちを持つことが難しくないですか?

私も恐らく初めからこうではなかったでしょう。もうデビューして10年が経って、今もものすごく余裕があるわけではありません。幼い頃は何しろ無我夢中で時間を過ごしたからなのか、どうやって生きていたのかよく思い出せません。それがすごく嫌なんです。それでも4〜5年前からは私を少し優先順位に入れないと、と思いました。いつ休めばいいのか、いつまた仕事をすればいいのか、私が決めるからバランスが合って、その時から心の余裕を探し始めながらもっと肯定的に変わったみたいです。私がストレスを受けているという事実がとても嫌なのに、それでもストレスを受けますが最大限減らそうとしています。

 

そんな努力をしてみると暮らしがだんだん単純になりそうですね。

そうです。単純にしようと努力してると思います。幼い頃は幸福が最高だと思って、幸福を勝ち取るためにたくさん努力していたみたいです。もっと幸せになれるようにしながら。

 

今よりもっと良い人生はどんな姿でしょうか?

今も良いんだけど。ただこうやって…

 

今の人生で1スプーンだけもっとあれば良いと思うことはありますか?

自由。私は怖がりだからかもしれませんが、完全に100%私であるのは大変そうです。努力はしますが。

 

スジョンさんが似たい人はどんな人ですか?

度胸と自信がある人。私はいつも'うう〜ん'と言って隠れるタイプなので、積極的で親和力溢れる人を見ると私とは違う風に生まれたんだなと首を傾げながらも一方では尊敬するようになります。でも本当に変わりません。今はそれでも好きになった方です。

 

怖がりとして生きていく中で時々強くなるのはいつですか?

私が自分に自信がある時です。例えば演技するとき少なくとも'このシーンは自信がある'と思えばその時は強くなるみたいです。一瞬ですが。

 

現場で強い人達によく会いますよね?精神力が強くて…

あ、そういう部分は私も強いです。(笑)私は強いと思う。

 

そうです。スジョンさんだけの強さがあるから今まで10年を超えて仕事ができるのではないですか?

そうですね。私も一つはあります。強者に強くなろうとしています。弱者には弱くなろうとします。'強弱-弱強'は本当に嫌。(腕を上げて大きくXを作る)そんな人は、ダメダメ。強い人に強くなります。